2100年のAIによる桜の開花予想を発表 - 地球温暖化による約80年後の気象への影響を評価、桜が開花しない地域も –

 株式会社島津ビジネスシステムズ(京都市中京区、以下SBS)は、3月10日にスマートフォン向けアプリ「お天気JAPAN」にて、AIを用いた2100年時点の桜の開花予想を発表しました。地球温暖化により2100年に気温が4℃上昇する場合の予想では、北日本を中心に開花が早まる一方、九州の一部地域では桜が開花しなくなる可能性があることが分かりました。

■温暖な地域も高精度に予測する改良版AI

 島津ビジネスシステムズでは、SDGsへの取り組みの一環として、気候変動対策事業を進めています。現在、スマートフォン向け洗濯物の乾きやすさ予測アプリ「はれほす」、太陽光発電量予測システムなどのサービスを提供しています。2010年より自社の気象予報士による独自の桜の開花予想を開始し2018年からはAIを活用してきました。10年以上にわたる桜の状態や気象データをAIに学習させ開花時期を予想しており、お花見スポットを含む全国約1,000カ所の開花情報を毎日更新しています。今年の予測では機械学習方法を改良し、相対的に的中率が低かった温暖な地域の予測精度を高めました。

従来のAI予想との比較

従来AI予想の的中率新AI予想の的中率
2021年予想40 %71 %
2022年予想77 %82 %

■ 地球温暖化の影響による開花時期の変化

 当社は2022年より、地球温暖化による農業への影響を評価するために、AIによる2100年の桜の開花予想の研究を開始しました。研究では「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)」の、4℃上昇実験のシミュレーションデータを用いています。 本予想では、「2100年は各地の開花は2022年時点での平年開花日から最大で16日ほど開花が早まる」という結果が得られました。東京では3月21(平年より3日早い)、大阪では3月17日(平年より10日早い)、北海道・東北・北関東ではさらに早まる傾向にあります。一方、一部地域では開花が遅れ、長崎・宮崎・鹿児島では冬季の休眠が不十分なため桜が開花しない可能性があることが予想されました。

 桜(ソメイヨシノ)は、前年の秋から休眠状態に入り、一定期間低温にさらされることで花芽が眠りから覚め(休眠打破)、開花の準備を始めます。2100年の開花予想では、桜が休眠に入る時期が現在より遅くなることで、休眠打破の時期も遅れます。休眠打破後の気温は現在より高いため、花芽の発育が早まり、結果として開花時期が早まるパターンが多くなります。一方、休眠打破が遅れた影響で開花も遅くなるパターンがいくつかの地域で確認されました。また、九州の一部では低温期間が短く休眠を打破できず、桜が開花しない予想結果となっています。

2100年 地域別桜の開花予想

≪北海道・東北地方≫

2100年開花予想平年値
札幌4/155/116日早
青森4/114/2211日早
秋田4/24/1715日早
盛岡4/94/189日早
山形4/74/136日早
仙台3/294/810日早
福島4/44/73日早

≪関東甲信地方≫

2100年開花予想平年値
前橋3/203/299日早
宇都宮3/183/308日早
熊谷3/203/277日早
水戸3/223/308日早
横浜3/203/255日早
東京3/213/243日早
長野4/34/118日早
甲府3/283/253日遅

≪東海北陸地方≫

2100年開花予想平年値
新潟3/264/813日早
金沢3/254/39日早
富山3/284/36日早
福井3/264/16日早
3/193/2910日早
静岡3/243/24±0
岐阜3/203/255日早
名古屋3/163/248日早

≪近畿地方≫

2100年開花予想平年値
京都3/213/265日早
彦根3/194/113日早
神戸3/203/277日早
大阪3/173/2710日早
和歌山3/283/244日遅
奈良3/203/288日早

≪中国四国地方≫

2100年開花予想平年値
岡山3/203/288日早
広島3/193/256日早
下関3/253/261日早
松江3/233/296日早
鳥取3/253/294日早
松山3/233/243日遅
高松3/233/274日早
高知3/213/221日早
徳島3/233/285日早

≪九州地方≫

2100年開花予想平年値
福岡3/183/224日早
佐賀3/193/245日早
大分3/223/242日早
長崎開花しない3/23
熊本3/263/224日遅
鹿児島開花しない3/26
宮崎開花しない3/23

■ 2100年の桜の開花予想手法

 2100年の予想気温については、「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)」のシミュレーションデータを用いています。これは気象庁、東京大学、京都大学、国立環境研究所、海洋研究開発機構、筑波大学と文部科学省の合同プロジェクトにより作成され公開されたデータです。

 気候モデルによる4℃上昇実験(2051年~2111年8月×90メンバ)の中から、2099年~2100年×6メンバを抽出してAIによる予測を行い、今回は極端値である第115番予想を評価対象としました。

( d4PDFウェッブサイト: https://www.miroc-gcm.jp/d4PDF/ )

【株式会社島津ビジネスシステムズについて】

 株式会社島津製作所の100%出資の子会社として1999年に設立され、気象庁予報業務許可事業者第65号として、独自のAI技術を活用した気象情報を提供しています。スマートフォン天気予報アプリとして「お天気JAPAN」「アメミル」「お天気時計」「はれほす」などのサービスを展開しています。

お天気JAPANの「2100年の桜の開花予想」ページ

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